姫路城開城 ~譜代姫路藩の明治維新
慶応四年(1868)正月十六日、討幕のうねりのなかで姫路城はついに無血開城、降伏のときを迎える。幕末から明治新政府へと歴史が大きく変わる転換期、藩存亡の危機に藩士は何を考え、どんな行動をとったのか―残された史料によって克明に追う。
著者:藤原龍雄(ふじわら たつお)
元治元年一二月二六日 姫路藩甲子の獄
甲子の獄とは──、元治元年(一八六四年)、姫路や京都で相次いだ佐幕派要人の暗殺に関与したとして、姫路藩の尊王攘夷派の藩士らが裁かれた弾圧事件のこと。江戸老中の首座となっていた佐幕派の姫路藩主酒井忠績が行った、幕府政治に反発する勢力を一掃しようとする厳しい処罰があった。藩主酒井忠績と姫路藩の維新前の混乱を中心に、幕末の埋もれた歴史を描いた小説。
著者:飯塚 敬(いいづか ひろし)
鷺の要塞 あの日、藩士たちは誇りをかけて戦った
姫路の幕末史はほとんど語られてこなかった。
幕府最後の大老である藩主の思いとは裏腹に、在郷の姫路藩士達は現実路線による生き残りを模索していく。家中の尊攘派が粛清され、勢いを増した佐幕派と論戦をしつつ、藩首脳部は、即時開城を求める備前藩に対して、したたかに交渉を進める。「姫路を焦土にすることはできない」
一方、藩主の密命と長州軍本帥との板挟みに苛立つ備前藩姫路討伐軍。対峙する両藩の思いが微妙にすれ違う中、慶応四年一月一六日、備前藩はついに武力制圧に踏み切る。その外観に反して、要塞としての強固な防御陣と殺戮機能を備える姫路城を舞台に、近代兵器による攻防戦が始まる。
著者:西田浩一(にしだ こういち)