他のお城の天守閣でもよく見られる格子窓ですが、このように格子の断面が八角形の窓は姫路城だけです。光の当たり方でシャープに濃淡が際立つのが、とても美しいですね。
なぜ八角形なのか?この窓の構造は、木の芯材に鉄板を張り付けてさらに漆喰で塗り固められています。断面が四角だと鉄板の合わせ目が直角で隙間ができやすい。八角形だと合わせ角度が大きく鉄板が張りやすいからなんです。このことから美しさと強固さを兼ね備えた独自のデザインが生み出されています。
鉄板入りの強固な格子で敵の侵入を阻む目的ですが、逆に言えば中からも外に出られないわけです。これは城の保守管理上、大変都合が悪い。この点については別の機会にご紹介します。
格子の太さと間隔は天守閣全ての窓で、全く同じ寸法となっています。これは窓枠ごと別の場所で制作して築造時にはめ込まれたものと言われています。現代のプレハブ建築と似ていますね。姫路城では、慶長13年(1609年)9月から天守閣造営に着手し、翌14年10月に竣工するという驚異的施工速度で建てられています。この窓枠制作の工夫もこの施工速度を可能にした理由の一つだそうです。
他にはない八角格子窓
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「他にはない八角格子窓」への1件の返信
ちなみに八角形は末広がりで吉数です。しかも左右に視野が広がり敵を狙いやすい様になっています。