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歩兵十連隊

721:序文

 本連隊の歴史従来の体裁簡略に失し、閲覧の実況を知悉するに常に隔靴掻痒の憾なきこと能わざりき、以て為(おもえ)らく此の如くして多く年所を経るには及ばば、創立以降二十有余年間事蹟或いは其の真を考うること能わざるに至らんと、茲(ここ)に於いて連隊歴史補修訂正の事を企画し、明治三十四年十二月歩兵大尉奥田為熊に属するに此の事を以てせり、大尉事に当たりて奮励し拮居(きっきょ)経営或いは隊中の故書推裏に就き之が資料たるべきものを捃摭(くんしょ)し、或いは曽(かつ)て本連隊に在職せし将校諸氏に檄を移して当時の事実を諮詢(しじゅん)し、或いは親を大阪・和歌山・明石等に千攸せる諸氏を歴訪して其の実歴談を聴取し有益なる数多(あまた)の材料を蒐集(しゅうしゅう)し以て之が編纂に勤め、遂に瞭然として復(ま)た遺憾なきに至れり、是大尉辛勤励精、功与(あずか)りて力ありと謂わざる可(べか)らず、嗣後(しご)本連隊の将卒、此の書に拠りて以て創立以来の経歴を詳悉(しょうしつ)せば、教育上至大の便利を得んこと知るべき也、
明治三十五年五月下澣(げかん)
歩兵第十連隊長 小野寺 実

「721:序文」への4件の返信

言葉が難しいですね。フリガナはとてもありがたいです。辞書を開く事がやさしくなります。些細なことですが,知悉するにの後に 於て が抜けています。それと 年所を経る は年所を経てる かと思いますが。明石等に の後◯◯せる は何と読みますか?よろしくお願い致します

薮下様
於いて が抜けていました。
年所を経てる ですね。
明石等に千散せるではないでしょうか?

序の2行目閲覧は閲歴と思います。5行目二十有余年間のと、のが抜けていると思います。

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