いくつ見つかる?古のハートマーク

 姫路城に限らず、神社仏閣など古い日本建築には必ずと言っていいほど見つけることができる飾り模様です。写真は二の丸奥のろの門の釘隠し金具に配された装飾です。ハートマークは明治以降にトランプ柄として伝来したものですが、日本建築のこの模様はそれ以前からあります。古墳から出土した刀の鍔にもついていました。
 この模様は「猪の目(いのめ)」と呼ばれています。陰陽五行説では猪は水を司ると言われ、また厄を払い福を呼ぶとされているそうです。生きた猪の目をしげしげと眺めたことはないですが、どう考えてもハート型とは思えません。城内には横向きや逆さ向きもあって、どこが上なのかもわかりません。姫路城では横向きが多いような気がします。
 猪の目の起源には諸説あるようです。横向きのものを上下に分離すると左右の鋭い猪の目になるというもの。前述の懸魚全体を猪の顔に見立てて目の位置に二つのハート形の透かしを入れたのが起源ではというもの。流水模様の輪郭にあわせて内側を透かし彫りにしたらたまたまハート型になったというもの。などなど。

埋め木(猪の目)

 とにかく縁起の良いもののようなので、城内で沢山見つけるといいことがあるかも知れません。東京のテーマパークで丸三つ模様を探すノリで、姫路城を探索してみてはいかがでしょうか。

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