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播州弁あれこれ

関西弁の一部地域では、疑問文の語尾に「け」をつける方言がある。「行ったのか?」が「行ったんけ?」となる。播州弁も関西の西の外れではあるが、その言語圏に属し、中高年を中心に「見たんけ?」「めし喰うたんけ?」と、決して上品とは言えないやり取りが飛び交っている。

「け?」の語源は「かえ?」ではないだろうか?ひょっとしてこれは公家言葉?そう思ったとき、ふとある仮説が浮かび上がった。

「け」言葉地域を仮にK言語圏としよう。言うまでもなく、関西弁の本場大阪は圏外(河内弁除く)である。神戸、明石も圏外である。但馬地域は東京イントネーション圏域であり関西弁圏域とは言い難い。一方で篠山はK言語圏である。北播地域、加東市も圏内。そして姫路。K言語圏の分布は京都と姫路をつなぐ国道372号、その沿線と妙に重なる。

ある仮説というのは、人馬以外に物流手段のなかった時代、都と地方を行き来する行商人たちが公家言葉をまねて使ったことで、街道沿いに広まっていったのではないかというもの。

都会の匂いを漂わせた行商人たちの言葉は、播州の田舎者にはハイソサエティに聞こえたのではないだろうか。テレビもネットもない時代、言葉をまねて都会の雰囲気を装った気分になっていたことが「け」言葉の生い立ちであるならば、それはそれで感慨深い。「け」言葉は、元は上品な言葉だったのかもしれない。

これはあくまで素人考えである。しかし、言葉もまた歴史と風土にもまれて、現代の日本語につながっているということは、少なくとも間違いではないと思う。

西田

→播州弁あれこれ2

「播州弁あれこれ」への2件の返信

着眼点がユニーク。語尾の変化に気づくのは日ごろから考察しているからこそ。「K言語圏」研究その2を期待します。できれば、①方言学者の見解
②播磨西部方面・岡山県方面への拡がりなどのアプローチを期待します。

河合さま
コメントありがとうございます。藤原代表から、国道372号沿いには京都から姫路まで点々と熊野神社があるよと示唆をいただきました。
因みに、広峯神社の主祭神は牛頭天王(スサノオノミコト)で同じ主祭神を祀る祇園八坂神社よりも古く、八坂神社は広峯神社から分祀されたものと言われています。八坂神社側は否定しているとのことですが。

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