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播州弁あれこれ3

播州人は「ぞ」が苦手

 学生時代の友人が大阪に就職していて、久しぶりに会った際、「姫路弁を覚えたぞ」と言った。言うてみいと返すと、恐い顔をしてみせて「なんどいやー」「なんしょんどー」。他府県出身の彼には、播州弁はケンカを売っているように聞こえているようだ。

「なんぞや」→「なんどいや」
「なにをしよるんぞ」→「なんしょんど」

 これも公家言葉の影響ではないかと思う。でも終助詞「ぞ」が「ど」に変わっている。播州人は「ぞ」の発音が苦手である。加古川や市川や揖保川の水を飲んでいるとそうなるのだろうか?姫路動物園にいるのは「どうさん」で、拭き掃除に使うのは「どうきん」である。

 前の職場は神戸だった。夜、同僚に「そろそろいぬど」と言うと、「え?そろそろ犬?」。
 「去ぬ」も古い言葉で、これも京都の影響だと思う。「東」の語源は「日向かし」で、「西」は「日去にし(ひいにし)」である。i母音が4つも重なるので前2つがいつの間にか省略されている。

 播州と摂津の境界は垂水のジェームス山辺りと言われている。山が海に迫っている塩屋海岸は、山陽道が狭くなっており、思いのほか大きな言語障壁となっているのかも知れない。

 先のやりとりには続きがある。丹波出身の向かいの席の同僚が「ほな去にましょか」と、わざわざ活用形を変えてフォローしてくれた。K言語圏では通じるようだ。

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